今年の夏は、さく研究所の浴衣を作る事になりました。 せっかく浴衣を作るならぜひ注染でやってみようと言う事で、 奈良の法隆寺にある「注染工房」さんの職人さんである大森さん にお話を伺いに行ってきました。 そもそも注染とは型染めの一種で、 柄の部分に染料を注いで染める技法のこと。 機械で染めるプリント生地とはまた別の 独特な雰囲気が魅力です。 <柄打合せ・注染工房へ> ![]() 柄の打合せをさせてもらう為にまずラフデザインを作って 注染工房さんに見て頂く事に。 注染の特徴や注意点など事前にお聞きし、 デザインを起こしたのですが 見て頂くとまだまだ細かい点で 直していかなくてはいけないところも たくさん・・・ もう一度帰ってデザインの微調整です。 <生地決め・伊勢木綿の臼井さんを訪ねて> ![]() 柄を作る傍ら、浴衣に合う生地探しです。 夏でも涼しく、汗の撥水性の優れた生地にしたいと思い、今回使用する 生地は浴衣にも合う少し薄手の伊勢木綿なんてどうだろう? 実物を色々見て探したいのと、やはりぴったりの素材を探すには 布のプロに聞くのが一番! と言う事で三重県にある伊勢木綿を作っていらっしゃる臼井職布さんを 訪ねました。 ![]() なるべく涼しくて、でも透けにくく、着心地も良くて、 できれば注染の雰囲気も 活かせるような生地にしたいんです・・・ そんな希望を伝えながら生地を一緒に探していきます。 色々検討した結果、 糸番手は縦糸30番、横糸30番で織られた、 いつも取り扱わせて 頂いている、 着物用の伊勢木綿より少し薄手の生地にする事にしました。 生地の厚さは一般的な浴衣に近いものですが、 柔らかい糸でふんわりと織られている生地なので、 伊勢木綿特有のほっこりした素朴な雰囲気があります。 <型打合せ・浅生形紙店へ> ![]() 注染工房さんで見て頂いたラフデザインを図案に直したら、 次は型を作って頂く作業に進みます。 臼井職布さんと同じ伊勢地方にある、 浅生形紙さんへ型の打合せにいってきました。 ![]() こちらで作っていらっしゃる形紙は伊勢形紙と言って 江戸小紋などの図柄が代表的です。 人間国宝の中村勇次郎さんの形紙など 貴重な資料も見せて頂きました。 恐れ多くも、今回のさく研究所の浴衣の柄は こちらで型を作って頂くことに。 ![]() 伊勢形紙とは和紙を柿渋で加工したものに 手彫りの技法で模様を彫り抜いたもの。 上の写真は柄を繋いでおくため紗張(しゃばり) と言う細やかな技法が使われています。 ![]() 貴重なお話をたくさん聞かせて頂きながら、 今回お願いする柄を見て頂き、 さらに図案の微調整を行ってから 形紙を作って頂く事になりました。 この後職人さんの手により、 ひとつづつ型を彫って頂く作業に進みます。 2011.6.11 注染着物の制作 パート2 ![]() ![]() 浅生型紙さんよりお願いしていた柄の 型紙ができてきました。 この型紙を注染工房さんにもっていき、 いよいよ生地に染めてもらいます。 ![]() これが、今回お願いした染め上がりの反物です。 柄は3柄。 ![]() 注染独特の深い紺を生かして星空に見立ててみました。 着てくれた女の子が夜空に浮かんでいる 気分になってもらえたら嬉しいので、 名前は Night Flight / ナイトフライトと名づけました。
![]() 涼し気なブルーにドットのリボンをあしらってみました。 リボンの形をなるべく甘くなりすぎないようにしましたので、 大人の女の子にも着て頂けると思います。 爽やかな夏の日をイメージして、 名前を Ribon Soda / リボンソーダ と名づけました。
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